株式会社TonTon

「"人"儲け」これは、株式会社TonTonが掲げるユニークなキャッチフレーズだ。同社が大事にするのは、常に「人」であり「人との繋がり」である。事業展開や組織編成、経営の全てがお客様はもとより社員一人ひとり、そして世の人々を幸せにするためという考えのもとに進む。利益を追及することは悪ではないが、それで人が悲しむならば意味がない。自分達だけ儲かればいいという認識は持たない。そんな「人として大切なこと」や「正しい生き様」を、ビジネスで体現していこうというベンチャー企業なのだ。同社はビジョンに共感する仲間の輪を広げている。

ベンチャー企業は、ビジョナリーであり先進的であることが多い。しかし、人への思い・こだわりをここまで徹底して掲げる企業は他に見たことがない。そこには、創業者であり代表取締役である今川博貴氏の経験が強く反映されている。

今川氏は、持ち前のバイタリティで高校卒業後、19歳でアパレル事業を興した人物だ。事業は当初成功したものの、それもつかの間。若く社会経験が乏しかったこともあり、自分達だけでうまくやっていけるという思い違いをした今川氏は、お世話になった人との繋がりを一方的に断ち切ってしまう。これがきっかけとなり人間関係が崩れ、会社を解散するという事態を招くこととなった。最初の事業の失敗だった。この過ちは、今川氏の心に深く刻まれた。

時を経て、再起をかけて再び独立。ティーンズ向けファッション誌の読者モデルによるブログ集合サイトを運営し話題になったものの、マネタイズがうまくいかない。経済的に困窮し、苦しい生活をしている仲間を思い、事業から撤退。グループを解散し、仲間それぞれが社会に出て経験を積んだ後に再び集結しようと誓い合った。二度目の事業失敗である。

普通ならば、ここでくじけてしまうだろう。しかし、今川氏は決してあきらめなかった。7年間懸命に働く力を蓄えた今川氏は、仲間と交わした約束を守るために2013年再び会社を立ち上げた。その会社こそ、株式会社TonTonなのだ。今川氏の情熱の原動力は「仲間」。貧しくても苦しくても、仲間がいたからこそ頑張れた。一人では決して乗り越えられない困難も、仲間がいれば明るい未来を信じて立ち上がることができる。

このようにして、自らの体験をもとに、「人」と「仲間」への揺るぎないこだわりが生まれたのだ。

同社の事業領域は多岐に渡る。現在主軸になっているのは、創業時からの事業である不動産仲介と不動産管理だ。『エージェント不動産型システム』という、お客様のニーズに素早くきめ細かく応える対応が評判を呼び、売上は順調に伸びていった。

そして、近年注力しているのが子会社であるスカイエステート株式会社が手掛けるドローン事業である。お台場潮見でドローンスクールを運営しており、ライセンスを取得した人材を自社の不動産管理業務に活用していこうという事業だ。また、自社以外でもドローンをビジネスに活用する企業が増えている背景から、知識と技術を持つドローンパイロットのニーズが高まっている。同社では、運営スクールの卒業生と企業を繋ぐマッチングサポ―ト事業も行っている。

このように同社が手掛ける事業はそれぞれ全く異なっており、今後も新たな業態を次々と生み出していくという。それは、同社が「100年続く企業」を目指しているがゆえである。その実現のためには、時代の流れとニーズを読み、柔軟に対応していくことが必要だと考えているのだ。

なぜ長く続く企業を作りたいのか？その答えは、人と人とが繋がり、共に頑張ることができる大きな「円」を作りたいから。愛、感謝、尊敬という目には見えない要素から目に見える事業を生み出し表現していくためだ。多角経営であるが、そのすべては一貫して「人」が中心になっている。全てが「”人”儲けする」という言葉に込められた強い思いに行き着くのだ。

人との関係性を重視する同社だけに、社風にもその思いが色濃く反映されている。複数の社員にインタビューを試みた結果、共通するのが「人を責めない文化」、「ネガティブな発言をする人がいない」、「上司や先輩は面倒見が良い」、「明るく活気があり会社に来るのが楽しい」ということだった。仕事の場でそんなことがあり得るのだろうかと、正直なところ最初は疑っていたが、オフィスの様子や行き交う社員の表情を見ていると、どうも真実のようだ。なぜこんなにも明るい雰囲気なのかと問うと、やはり代表今川氏の考えによるところが大きいという。

企業理念は「"人"儲け。」その他に、「感謝から始まるあいうえお」という社訓が掲載されている。詳しくはぜひHPを確認してもらいたいが、「愛、意志、運、縁、恩」を大切にするべき事柄として掲げている。同社のポジティブな空気は、今川氏の考えに共感した社員が集い、さらに実際のアクションとして浸透している証なのだ。

会社としてもこの思いを体現するための具体的施策として、独自の催しや福利厚生を数多く取り入れている。例えば、月に一度行われる「感謝投票」では、感謝したい社員の投票が行われ、上位入賞者は表彰され粗品が贈呈される。また、「親孝行制度」では、会社設立日の8月9日に両親へ感謝の気持ちや写真を添えプレゼントを贈る。

同社には確固とした信念があるので、働くにあたってはカルチャーへのフィット感が大事な要素となるだろう。人事・採用を統括する役員の越淵氏は、求める人物像を次のように語る。
「組織としてはまだまだ若く、変化していく会社です。そのため、新たな人材の影響力はとても大きい。ここを自分のチャンス、チャレンジの場と思ってくれる人と働きたいです。」

自分だけが良ければいいという考えは、同社ではありえない。困っている人をサポートするのが当たり前という文化を守るため、採用にあたって重視するのは学歴や職歴ではなく、あくまでも人間性だ。ビジネスパーソンとしてのスキルと共に人間力も磨いていきたいと考えるならば、ぜひ同社にアクセスしてほしい。