楽天銀行株式会社

日本のインターネット銀行のパイオニアである楽天銀行。
600万超という日本のインターネット銀行の中で最大の口座数を誇る同行は、預金や振込サービス以外にも、デビットカードの普及に一役買っているほか、住宅等の各種ローン、公営競技、スポーツ振興くじ「toto」と宝くじ購入などでの口座利用など、豊富な商品ラインナップを持ち、多くの利用者にメガバンク同様の「フルバンキング・サービス」を提供している。

2000年設立、2001年に開業した同行（注：当時は「イーバンク銀行」）は、日本のインターネット銀行の中で口座数トップを誇り、日本のインターネットバンキングを牽引する存在であり続けている。一方で彼らは今、自らを「インターネット専業銀行」とは称していない。ネットに強みを持つ銀行であることは間違いないが、彼らが見据えるのは、ネットだけ、銀行業だけに留まらない、さらに広大なマーケットだ。

「私たちのビジネスにおける最大の特徴は、電子商取引 (以降、EC) との密接な結びつきでしょう。銀行としては、世界でも珍しいと思います。」（執行役員 システム本部長　早川一）

「楽天グループ」というECを中心に、日本国内はもちろん世界各国で活動する企業グループに属する楽天銀行は、他の銀行とは一線を画す「武器」を持つ。楽天グループのあらゆるサービスとの連携や顧客との接点の多い仕組みだが、金融業界以外の知識も要求される場面もある。

「当行のライバルは金融機関ではありません。そのため、金融業界内からの転職組は意外に少ないんですよ。当行のビジネスにとって最大の武器は、ECだけではなくありとあらゆるサービスがグループ内にあること。そして当行がそれらビジネスと密接な関係にあるということです。金融サービスから生活関連、レジャー、さらにはプロスポーツチームまで、何でもグループ内で対応できる。そして全てのビジネスにはお金のやりとりが関わりますからね。」（早川氏）

楽天銀行が、単なる金融機関としてではなく、ECをはじめとして広くビジネス全般に関わる企業として活動していること。それこそが、他の銀行にはない大きな特徴であり、強みであるといえるだろう。だからこそ、他の銀行・金融機関にはない独自のサービスを次々と生み出せるのであろう。

さて、前項では楽天銀行の特徴をビジネスの側面から述べてきたが、もうひとつ同行には大きな特徴がある。それは「システム」だ。

「楽天銀行のシステムは、フルスクラッチであることが最大の特徴です。他行では海外製のシステムを利用していたり、アウトソースしていたりする部分を、私たちは基本的に内製しています。そのため、サービスの拡張や改修をスピーディーに行うことができるのです。」（早川氏）

早川氏によれば、単にシステムを内製しているというだけではなく、ハードウェアの選定・導入に関しても、他の銀行などと違いマルチベンダー制をとっており、自分たちで主導権を持ってシステムを開発・運用できるのだとか。楽天グループの「売り」である「ビジネスのスピードが速い」ことに対応し、金融機関としては異例ともいえる開発スピードで矢継ぎ早に新サービスを投入できているのは、こうした「システム的な強み」も影響しているのだろう。

加えて、楽天グループ内では「横の連携」も活発に行われているという。特にシステムやテクノロジーの分野では、楽天グループ全体での知見共有がなされており、新たなサービス開発や日々の運用にも役立っている。

「サービスやセキュリティ、そしてテクノロジーの各分野では、グループ内で会社組織を超えた緊密な連携を行っています。例えばセキュリティの分野で何らかのトラブルが発生すれば、グループ内全てのセキュリティ関係者が情報共有を行い問題の即時解決に向けて動きます。また同様のトラブルを未然に防ぐよう、日々新しい情報をアップデートし続けています。さらに具体的な例で言うと、楽天グループに属するデータサイエンティスト達が一堂に会し普段の業務の中では経験できない情報を共有し合う場が頻繁にあります。そうした横のつながりがあることは、エンジニアにとって非常に刺激的な環境であり、なおかつユーザーに対するサービス向上にも寄与しています。」（システム本部　データインテリジェンス部 部長 竹内健治）

楽天銀行は今、さらなる業容拡大のため、広く人材を求めている。同行は600万超の口座数を誇り、その数は今も伸び続けているが、メガバンクの口座数と比べるとまだまだ少ない。

「銀行は、規模のビジネスです。口座数、預金額が多い方が強い。その点でいうと、当行はまだまだ伸びしろがあります。日本中どこでも利用できることを考えると、口座数ではメガバンクを凌駕できるだけのポテンシャルを持っています。」（早川氏）

そうした中で、同行の飛躍を担う人材の採用は欠かせない。実際、同行は年20％程度のペースで成長を続けていることもあり、投資のほとんどは「人」に対して行っている。インターネットの世界は発展のスピードが速いというが、それは楽天銀行にとっても同様だ。

「とはいえ、単に拙速ではダメ。私たちは『銀行業』ですから、安定したサービスを提供する義務があります。銀行らしい安定感を重視する部分と、インターネット業界らしい対応の速さ、そのハイブリッドでなくてはならないと考えています。」（早川氏）

では最後に、楽天銀行がどんな人材を求めているのか、どんな人物が活躍できるのかについて、自らも他社から転職してきたという早川・竹内両氏にお話いただこう。

「システム本部としての話になりますが、私たちの仕事は、日々品質向上に努めているレガシーな領域と、新たなフィールドを開拓するための革新的な領域とがあります。そして、今は後者の比率が上がっています。何事にもチャレンジ精神旺盛な方と働きたいですね。」（竹内氏）

「とにかく、可能性の大きな会社です。他の銀行とは違い、今後10年から20年、右肩上がりで成長するのは間違いありません。これほど元気のある企業体はそうそうないと思います。
　一方で、当行は働きやすい環境でもあります。残業は厳しく規制されていますし、ワークライフバランスが取れる仕組みも整備されています。そんな中で、チャレンジングな仕事ができる職場は他にないはずですよ。
　希望する人材像は、『パッション』を持った方ですね。こんなことがしたい、こういう自分になりたいという強い思いを持った方に、当行の門を叩いていただきたいと思います。」（早川氏）