エンジニアの豊かな人間性でクライアントとの関係性を深めることが強み
システム開発を手がけている、株式会社ジー・エフ・エル。
業界の人材不足を受け未経験者の採用も行い、しっかりと育成している会社だ。
同社が手がけるのは、システムエンジニアリングサービス(SES)と、
自社独自スマートフォンアプリの開発・運営。
案件はクライアント直取引とSIer経由が半々で、
メガバンクや地方銀行、情報サービス企業などの顧客に常駐してのシステム開発を担っている。
代表取締役の百合氏は「セキュリティの問題や機材の関係から、
より重要度の高いシステム開発は客先常駐になると考えます」と語る。
同社が強みとするのは、最先端の技術を常に追求し続けるといったことよりも、
エンジニアの豊かな人間性でクライアントとの関係性を深めること。
「プロジェクトが終わった時、『苦しい局面もあったけど、一緒にいい仕事ができて良かった』と
酒を酌み交わせるような付き合いができることを目指しています」。(百合氏)
自社独自スマートフォンアプリは、『御朱印集め』『夢と日記』『夢と日記Free』『人生とお金』という4タイトルをリリース。
「収益は、月々の飲み会代が得られている程度ですが、他の面で意義を感じています。
まず、iOSができるリーダークラスとメンバーの共同開発による技術教育の機会づくり。
また、お客様に『これぐらいのことはできます』と自社の技術力をアピールする具体的なツールになります。
今後も、新作の開発を手がけていきたいと思っています」。(百合氏)
今後のビジョンとしては、5年後までに体制を増強すること。
そして、規模とスキルでなければ受注できないより高度なレベルのプロジェクトを手がけられるようにする。
「社員により誇りを持って仕事ができる環境を責任もってつくっていきたいと思っています」と百合氏は意気込む。
エンジニア経験十数年のベテラン社員が1対1~2で33~36時間、未経験者を教育
同社は2010年12月、百合氏によって設立された。
百合氏は、求人メディアの営業職を経験した後、
メーカー系のシステム開発会社に転じてプロジェクトマネージャーを15年ほど務める。
さらに、システム開発業界を2社経験。
その後、設立された同社は、業界全体の人材不足等を鑑み未経験者の採用も行い、ITエンジニアへと育成してきた。
未経験者教育は、入社前の1カ月間、任意の日時にて計33~36時間かけて行われる。
講師1名対新人1~2名という密度の高い環境で、JavaやSQLを用いた
簡単なWebアプリケーションの作成を理解できるまで教え込まれている。
「こうすればスムーズにマスターできるというノウハウを集約したカリキュラムを構築している」と百合氏は語る。
その後は、ベテランのリーダーが含まれるプロジェクトにチームの一員として加え、現場でOJTを積む。
「当社のベテランだけでなく、お客様からも教えてもらえる関係を築いています」。(百合氏)
一方、中堅やベテランクラスの人材育成としては、年間10時間ほどの外部研修を受講してもらう。
「リーダーシップやマネジメントの要諦を学んでもらっています。もちろん私も指導しますが、
社内の人間から言われるのと外部の識者から言われるのとでは受け取り方が違うと思いますので」。(百合氏)
技術面では、IPAが春と秋に実施する情報処理技術者試験などの受験を推奨している。
それだけでなく、「その合間に、Oracleなどベンダー系の資格取得も、費用を会社が支援して奨励している」(百合氏)。
また、社員が任意で月1回の土曜日に集まり、既存アプリのブラッシュアップなどを通じてアプリ開発を学ぶ活動も行われている。
「当社から巣立ち、前職を聞かれた際に『ジー・エフ・エルなら大丈夫だね』と言ってもらえるような会社(社員)になってもらいたいと思っています」。(百合氏)
「社員一人ひとりはプロフェッショナル」として、オープンで透明な環境作り
百合氏は、社員が担当している案件を毎月すべて巡回し、ランチミーティングを行っている。
そこではランチを共にしながら、メンバーの状況をヒアリングするとともに、全社の状況を伝えて共有化。
「メンバーの顔色や表情を見れば大体のコンディションはわかりますし、
悩み事や困り事は必ず相談してもらっている」と百合氏。
その上、毎月「帰社日」を設けて全員で飲食を共にしながら情報交換を行ったり、年1回社員旅行を実施。
そのほか、忘年会や初詣付きの新年会、暑気払いなど季節のイベントも通じて親睦を深めている。
そんな同社が求める人材は、その道のプロフェッショナルになりたい人。
そして、社内外問わずコミュニケーションを大切にする人だ。
「お客様先で業務を行うため、社内だけでなくお客様からも評価される必要があるからだ」と百合氏は語る。
経験者、未経験者問わずシステム開発の世界で成長していきたいと考える人にとって相応しい会社といえるだろう。