キーウェストコーポレーション株式会社

キーウェストコーポレーション株式会社は、テクノロジーを駆使し、営業会社の概念を再構築すべく取り組んでいる会社だ。拠点は、神戸本社と、広島、福岡、熊本の各営業所、さらに和歌山のの5拠点。

現在（2017年7月）、同社が展開する事業は、全国の中小企業を対象としたビジネスプラットフォーム関連商材の提案および販売である。ビジネスフォンや、OA機器、LED照明、ウォーターサーバー、防犯カメラなどの環境機器を仕入れて販売する他、2016年4月の電力自由化を機に、電力小売事業にも参入している。

いずれの商材も競合ひしめく分野だが、同社は営業ターゲットを独自の視点で精査して競合の少ない分野を探し出し、その中でシェアを獲得する方法で成長を果たしてきた。特に2015年に取り扱いをスタートしたLED照明は、成長率ナンバー1の主力商材として、同社の着実な成長を牽引している。営業系の会社の場合、厳しいノルマや長時間労働といったイメージに結び付きやすいが、同社の営業マンの場合、無理なノルマに追い掛け回されることもなければ、残業もほとんどないというワークスタイルが確立されている。そのため人材も定着しやすく、ノウハウの蓄積もしやすい。それが営業会社としての強みとなってきた。また、これまでは売り切り型の商材がメインだったが、近年はウォーターサーバー、電力、LED照明などストック型の商材を増やすことで利益率の向上にもつながっており、よりゆとりを持った営業活動ができるようになっている。

広島支店 支店長・廣常達二氏は語る。
「一般的には、OA機器などを販売する営業会社の本質は何十年も変化がありません。相変わらずノルマ、残業というイメージが強く残っている業界です。弊社は、そのイメージを払拭する1つの手段として、ITを積極的に活用して、業務の平準化や省力化に取り組み始めました。また、仕入れ商材と比べて学習コストが低く販売しやすい自社ブランド商材を増やすことで、これまで以上に人が育ちやすい環境を作っていきたいと考えています」（廣常氏）

キーウェストコーポレーション社の設立は2012年10月。通信機器を初めとするIT関連商品の販売や工事・保守メンテナンス業務、インターネット回線サービスの販売を行う株式会社ドゥオモ・インターナショナルと、その仕入れ先であった株式会社エフティグループの合弁会社として設立された会社である。設立時はドゥオモ・インターナショナル社が手掛けていた事業のうち、個人宅向けインターネット回線の販売業務を継承してスタートしたが、2014年にNTTの戦略変更を受け、個人宅向けインターネット回線の代理店事業を縮小し、法人を対象としたビジネスプラットフォーム事業へと方針を転換し現在に至っている。

B to CからB to Bへのビジネスモデルの転換、取り扱い商材の変更といった苦難はあったものの、LED照明の販売を軸に安定した経営基盤を築いてきた。2016年1月には代表取締役社長・山田雄基氏が経営を引き継ぎ、新体制へと移行。まさに第二創業期を迎えている。山田氏は、今後のビジョンを次のように語る。
「1人1人の社員が、常に上を向き続けられる会社にしていきたいと考えています。1つのことで成果を上げた人が、次のステップとして新しいチャレンジができる。反対に、1つやってみてダメでも別のチャレンジができる。より多くの選択肢を用意して、より多くの人々が活躍し成長できる環境を作ることが目標です。」（山田氏）

「社員全員に幸せになって欲しいということが私の願いです。最近嬉しいと思うことは、社員がマイホームやマイカーを購入したといった話が聞けることです。会社の信頼がなければ住宅や車を購入する時のローンは通りません。キーウェストコーポレーションで働く社員が家や車を買えるという事実は、経営者としての喜びです。仕事を一生懸命頑張って、家を買ったり、プライベートで旅行に行ったり、そういった楽しみをしっかり持てる会社にしていきたい。そして、弊社で働く社員のそのような消費活動の積み重ねが、ささやかでも地域社会の発展に繋がれば良いと考えています」（山田氏）

もともと同社は、世間で注目されるよりも前から従業員満足度の向上に取り組んできた会社だ。福利厚生を充実させる他、海外への社員旅行やソフトボール大会なども実施してきた。任意で参加するソフトボール大会には、約100名の参加があることからも、雰囲気の良さが感じられる。一時期、B to CからB to Bへの転換を図った時期を除けば、退職者もほとんど出していない。勤続年数9年の執行役員・大橋光氏は社員の定着率の良い理由を次のように語る。
「弊社は、営業職でも各自に合わせた目標設定をして、無理な数字を追わせることはしてきませんでした。その一方でしっかり成果を上げることが出来れば、その分しっかりと給与に反映するスタイルは徹底しています。さらに平均年齢が30歳前半という若さもあって派閥のようなものも形成されてこなかったことも影響していると思われます」（大橋氏）

同社には上司と部下のいびつな関係は存在しない。同社が社員に求めてきたのは、物事をプラス思考で考えることに加え、目標とそれをあきらめない気持ちを持つこと。あとは最低限、目上の人と話す時は敬語を使うということが出来ていれば、自由に意見を戦わせるべきであるという方針を取る。代替わりしてからは経営者と社員の間の距離感がこれまで以上に近くなり、そのような雰囲気は一層強まった。

このようにオープンな社風が魅力の同社だが、営業会社の魅力はどこにあるのだろう。
「営業職の面白さはとにかく“達成感”が得られること。どんなスタイルを取っていても、その価値は永遠普遍のものです。1,000円、2,000円のものでも売れれば嬉しいし、反対にどんなに高価なものを扱っていても売れなければ意味がありません」（廣常氏）

営業職は大橋氏が言う通り、何も知らない状態で外に出すようなことはない。まず入社直後の研修で営業の考え方を一通り身に着け、その後は現場に出て、目標設定と振り返りを繰り返してレベルアップを図っていく。商材によって短期間で売れるようになるものもあれば、時間がかかるものもある。担うべき範囲は上長の判断によって段階的に広がっていく。その段階を踏むたびに達成感を味わうことになるのだろう。

同社が求める人材は、仕事で成果を出すことや自分自身の成長に素直に貪欲に取り組める人材である。

最後に山田氏が転職者へのメッセージを送る。
「現段階で自分が進むべき道が決められないと思っている人でも大丈夫。弊社に少しでも興味をもらえたなら、一歩前に進んで、話を聞きに来て下さい。そうすれば、そこから世界は変わってきます。頭で考えずに行動することも大事だと思います。本当に楽しい会社にしていきたいと考えているので、その輪に入ってもらえるのであれば大歓迎です」（山田氏）