「感動体験を創造し続ける」ことをミッションとして、既存IPの強化、新規IPの創出を積極的に行い、ゲームを軸とする多角展開を実施。
株式会社セガゲームスは、家庭用ゲーム機、PC、スマートフォン向けのゲームやデジタルサービスの企画・開発・販売・運営を手がけるエンタテインメントコンテンツ企業である。
PC・家庭用ゲーム機向けの「龍が如く」シリーズ、「ファンタシースターオンライン」シリーズ、「ソニック」シリーズ。ゲーム好きならば、誰もが知っている強力なIPだろう。同社は、こうした柱となるIPを大切に育てて進化させていくと同時に、新しいIPを創り出すことにも積極的に取り組んでいる。ゲームを軸にしながら、IPをマルチデバイス・マルチメディアへと広く展開し、ユーザとの接点を増やすことで一層の事業拡大を図る。
その背景には、「感動体験を創造し続ける」という同グループのミッションがある。先進的な商品、斬新なアイディアを生み出すことはもちろん重要だが、最も大切なのはプロダクトやコンテンツそのものでは無く、その先にある「お客様の感動体験を創造する」ということであり、これまでにも日本のゲームエンタテインメント黎明期から、製品やサービスを通して、驚き、喜び、熱狂と、ユーザの心を揺さぶり、様々な感動を呼び起こしてきた。同社は今、改めてその歴史を振り返り、さらに新しい歴史を築こうとしている。
ゲーム制作にかかわる全社員が、お客さまにとっておもしろいものを提供するためにゲーム創りに真正面から向き合っている。そうすることが、ユーザの期待に応える最良の方法だと考えているためだ。社員全員がこの想いを強く持ち、本当に良いものを創りたいと日々業務に取り組んでいる。
同社は、今後も市場をリードしていく革新者であり続けるため、更なる高みを目指して挑戦を続けているのだ。
「世界で創り世界へ届けるリーディングカンパニー」になることを目指す
ここでは、戦略や今後の展開予定をみながらより深く「セガゲームスらしさ」を探っていこう。
同社のミッションは、前章で紹介したとおり「感動体験を創造し続ける」こと。この実現に向けて、部単位で機能や役割に合わせて戦略や戦術設定し、全社員に浸透させている。
全社員で同じ方向を向き、目指すゴール(目標)は、「世界で創り世界へ届けるリーディングカンパニー」である。
リーディングカンパニーという部分は、今までの同社の実績が示す通りだが、“世界”と言及している背景はどのようなものなのだろうか?
これは、業界の推移を予測した戦略が基になっている。世界のゲームコンテンツ市場は安定的に成長を続け、2020年には世界全体で14兆円に迫る市場規模に達すると予測されている。拡がり続ける市場で成功するためには、強いIPを創出して世界各地にそれらを届ける事業構造を実現することが必要だと、同社は考えている。
そして、ここで取る施策に、「セガゲームスらしさ」を垣間見ることができる。それは、世界市場を意識しつつも、開発のベースはあくまでも各IPの持つ特性を大切に内容の充実を図り、”良質で多彩なコンテンツを創る”ことだ。「龍が如く」シリーズを例にとると、テーマ自体はとても日本的なものだが、海外で販売する際には、タイトルを『Yakuza』(読み方:ヤクザ)とし、バトル相手にマフィアを登場させるなど、世界観を壊さずにそれぞれの市場に最適化している。セガグループの丁寧なカルチャライズ・ローカライズのノウハウが活かされているのだ。こうして最適化されたコンテンツを、同社が世界に持つ販売網を使って現地のユーザに届けている。
このように、セガゲームスは自らの資産やノウハウを連携させながら、ゴールへ向けて着実に進んでいる。今後同社に参画し制作に携わる人材には、自ら関わるコンテンツが全世界に向けて発信される意識を持って取り組んで欲しいという。同社が何よりも求めているのは、「ゲームが好き。面白いものを作り出したい。新しいことにチャレンジしたい」という、まっすぐな熱意である。
失敗を恐れず、新しいことに挑戦することを後押しする社風。
前章で、ミッションや戦略など同社の事業に関する展開を紹介した。ここでは、社風や教育制度などの働く環境にフォーカスする。
まず社風については、雇用形態での壁がなく・職種を問わず自分のアイディアを提案することができる環境がある。そういったさまざまな人達や考え方を受け入れる風土があるのは皆でより面白いものを創り上げていきたいというゲーム制作に対する熱意からきているという。
次に制度についてお伝えしよう。
教育制度については、社員のスキルアップをバックアップする体制が用意されている。
全社員が受講可能なe-ラーニングシステムを整備し、ロジカルシンキング、マーケティング、会計などの様々な講座を用意している。また、SDC(SEGA Developers Conference)と呼ばれる、定期的に開催される他部署との技術交流会は、職種に関係なく参加することができ、誰もが最新技術や情報を平等に取得できる仕組みになっている。また、中規模な勉強会が月に一度、分科会レベルの小規模な勉強会は毎週何かしらのジャンルで開催されている。
また、個人のキャリアアップにも、しっかりとした道筋を示す。スペシャリストを目指すのか、マネジメントを目指すのかのコースが制度として用意されており、多様なキャリアを支援する体制が整っている。
社員一人ひとりが能力を発揮し、強みをもった働き方ができる制度をつくることで、働きやすさとやりがいにつなげているという。
同社のゲーム開発会社、パブリッシャーとしての歴史と実績は、多くの人が知るところだろう。実際に、充実したリソースと安定したビジネス基盤によって多くのビジョンを実現してきた。創りたいもののイメージを明確に持っている人、中でも、そんな強い思いを抱きながらも叶えづらい環境にいる人物には、理想的な場となるだろう。
自分の意見は存分に伝えて欲しいという。失敗を恐れず、果敢にチャレンジする者を受け入れる豊かな土壌が同社にはある。