日本初のセクシャルヘルスケアに特化したD2Cブランドで急成長
これまでタブーとされていた女性のセクシャルな悩みを解決する商品・サービスが急拡大している。そんな中注目されているのが、日本初のセクシャルヘルスケア専門のECサイトを運営しているナチュラルプランツだ。WebサイトやSNSで商品が多数紹介されるなど、業界を代表する会社として熱い視線が注がれている。
欧米ではドラッグストアで気軽に買える不感症用商品などが、日本ではオープンに販売されていない。間違った性教育の結果なのか、それともセクシャルなものを隠す文化なのか。必要な人はたくさんいるはずなのに簡単に手に入らないのが現状だ。代表の羽中田氏は「誰もが恥ずかしがらずに性について語り合い、これらの商品を普通に買える世の中にしなければならない」と決意し、2003年に『ラブコスメ』ブランドをオープン。日本で初めてのセクシャルヘルスケアの専門ブランドが誕生した。
しかし滑り出しは上々というわけにはいかなかった。「2003年当時、この考えは斬新過ぎたのか最初はまったく世の中に受け入れてもらえませんでした。商品の仕入れをお願いした会社さんから、ラブグッズを目にした途端に取引を中止させられたこともありました」と同氏は創業時の苦労を語る。事業を軌道に乗せたのは、日本の性文化を変えるという確固たる信念だった。顧客のもとへ何度も足を運びカタログなどを見せながら、“いわゆるアダルトではなく、きちんと真面目に取り組んでいる”と根気強く説明し続けたという。そのひたむきな努力によって注文が少しずつ増え始め、商品の取り扱い点数も増えていく。世の中が変わり、女性の生き方が多様化したことも追い風となった。そして2010年に上海オフィス、2011年に香港オフィスを設立。業界のリーディングカンパニーとしての地位を不動のものとした。現在は売上高40億を超え、「創業当時から考えると夢のようだ」と羽中田氏は振り返る。
身体のコンプレックスを解消することは、自信を持って生きる未来を手に入れることだ。「女性が変わることで未婚化や少子化、離婚増加といった社会問題の解決にもつながる」と同氏は強調する。ナチュラルプランツは女性だけでなく日本の未来を変える存在となるかもしれない。