ロジザード株式会社

インターネット草創期にあたる2001年より物流現場にクラウドWMS(Warehouse Management System=倉庫管理システム)を提供するロジザード株式会社。年間の発送総数約45億件と言われる日本の宅配ビジネスにおいて、ロジザードのサービスを経由する商品発送は年間約8900万件(2022年６月期)。日本における宅配便における2%、特にネット通販での配送だけに限定すればより多くの方が、同社のWMSの恩恵を受けていると言える。初期サービスのローンチより20年経った現在、1,400以上の現場で実際に稼働しており、年商数千億円規模の一部上場企業から年商数億円のネットショップまで幅広い顧客層に支持される。特にEC物流においては、WMSのデファクトスタンダードの地位を確立しているといえるだろう。
しかし、コロナ禍を乗り越え、新たな消費行動へ変わりつつあるマーケットや日本の労働環境における課題など物流業界を取り巻く環境は大きく変化している。同社代表取締役社長の金澤茂則氏はその変化をこう分析する。

「我々が2001年に最初のサービスをリリースした際には、バーコードを使ったシステムで倉庫業務の改善を目指しました。手作業中心だったオペレーションがシステム化・機械化され現場の作業効率は大きく改善されました。しかし、あれから20年。現在の物流業界の抱える課題は当時よりも深刻だと言えます。
物流業界における人手不足の問題は、他の業界と比べてもより深刻で、ロボティクスやRFIDなどの最新技術を活用した物流DXへの期待が高まっています。当社はクラウドサービスを始めて20年。2018年には東証マザーズにも上場を果たしました。これから、会社として安定的な経営基盤を活かし、また最新の技術も取り入れながら業界の先頭を切ってITの力で物流業界を変えていきたいと考えています。」

ロジザードは自分たちの事を、ただのシステム会社とは定義していない。【出荷絶対】という社是のもと、クライアントの物流業務を止めないことこそロジザードが提供するクラウド型WMS「ロジザードゼロ」の存在意義だと言い切る。他のシステム会社とは一線を画したそのポリシーは多くの顧客の支持を受けおり、現在でも多くの新規顧客が「ロジザードを使えば物流作業が回る」という周りの口コミや紹介をキッカケに取引を始めているという。やはりそれは、他の追随を許さないプロダクト力はもちろんだが、営業・エンジニア問わず、常に顧客第一主義をモットーにしたサービス全体の力のおかげだと取締役営業部長の亀田氏は語る。

「私たちは自分たちをシステム会社ではなくサービス会社と定義しています。クラウドサービスというと契約して終わりという企業も多いですが、ロジザードはむしろ契約がスタートライン。WMSを導入したお客様がきちんと収益が出せるまで運用オペレーションにも踏み込んだコンサルティングを実施。お客様のニーズに対して”それはシステムの範疇ではありません”のような断り方は絶対にしません。プロダクト力とサービス力を掛け合わせて生まれる付加価値こそが、ロジザードのブランドなのです」

社員一人ひとりが顧客に軸足を置きながら日々の仕事に打ち込むことで信頼を勝ち取ってきた同社。10年以上付き合いが続く企業も多く、営業だけでなくエンジニアにも名指しで担当顧客からお歳暮が届くほどだ。どんな時も『出荷を止めない』というミッションの元、例えインターネットが止まっても商品を発送できるように手を尽くす。震災で停電、商品は倒壊という未曾有の非常事態においてもロジザードのサービスとサポートは動き続けた。”困った時もロジザードなら一緒に動いてくれる”こうした顧客からの信頼が、エンジニアにとっても何よりのモチベーションだとシステム統括部部長の橋本氏は言う。

「我々のサービスが止まる=顧客の信頼が失われることを意味します。ネットショップで買った商品がすぐに手元に届く時、常にお店に新しい商品が届き陳列されている時、その背景では既に社会インフラとも言える物流が滞りなく流れています。万が一物流が停滞してしまうと、私たちの日常生活には大きな影響が出てしまいます。
私たちエンジニアは、自分たちが書くコード1つにも背景があるんだということを常に全員が強く意識しています。当社に流れ作業は一切ありません。億単位のトランクザクションを処理するインフラを支える。業務知識を前提に課題解決の手段として開発に取り組む。物流に関わる人達から単なる業者ではなくビジネスパートナーとして対等に仕事をするわけですから求められるレベルは非常に高い。しかし、それ以上に自分が社会の役に立っているという実感を日々得られる環境と言えると思います。」

物流業界を支援するクラウドサービスのプロバイダーとして先頭を走り続けるロジザードだが、実は今、変革のタイミングにある。創業時にサービスインした初代クラウドサービス「ロジザードプラス」が2023年1月にサービスを終了するのだ。

「採用している技術基盤のサポート終了をキッカケに、サービスを終了することになりました。2012年にリリースした後継サービスにほとんどのユーザが乗り換えているとはいえ、長いお客様では15年以上継続的に利用してくださっています。20年前、ASP（アプリケーション・サービス・プロバイダ）と呼ばれていた当時最新のビジネスモデルでスタートアップした頃から考えると、一つの時代が終わったようにも感じます。だからこそ私たちは、ロジザードの次の10年、20年を支えてくれる仲間を求めています。」（金澤）

ロジザードでは、待ったなしの状況ともいえる物流DXを支援するため、既存のサービスの強化にとどまらず、新サービスの展開や新規ビジネスへの挑戦も視野に入れている。そしてそのビジネス展開を実現するためには、さまざまな経験を持った外部の知見を積極的に取り入れていくことだと考えている。


「キャリアパスは人材に合わせたテーラーメイドの育成プランを用意しますが、中途入社の社員に期待するのはやはり既存の事業に縛られすぎない自由なアイデア。幸いにも創業21年間で顧客は増え続け、サービス利用料による収益基盤が築けてきました。そう、当社にはエンジニアがチャレンジできる余地がたくさんあります。」(金澤)

また、ロジザードでは社員にとって本当に働きやすい環境とは何かを常に考えてきた。そして試行錯誤の上、「選択制在宅勤務制度」という現在の制度にたどり着いた。一見すると堅苦しく見える同制度だが、要は、社員が自分の判断で、出社勤務・リモートワークを日単位で決められる制度だ。

「人にはそれぞれ、いや同じ人でもそのライフステージによって働きやすい環境は異なるものです。例えば、チームでディスカッションしながらプロジェクトを進めたい時には出社勤務。集中してプログラミングをしたいときにはリモートワーク。残業してでも実績を残して自分を成長させるもよし、小さなお子様の成長を見守るために定時退勤でもよし。人に強制されるのではなく、成長のため、家族のため、プライベートの充実のため自分自身で考えて判断することが大切だと考えています。」（金澤）

注目の業界、安定した経営、チャレンジできるフィールド、働きやすい環境。あなたが求めるすべてが、ロジザードにはきっとある。