株式会社リアルネット

自社オリジナルコスメ「メルライン」の販売を手がけている、株式会社リアルネット。
こうした事業を通じて商品企画力や集客力、営業力をさらに高め、ほかにないオリジナルな商品・サービスを“知らない人はいない”存在にプロデュースすることを目指している。

●オリジナルコスメ「メルライン」の企画・販売
「メルライン」は、“あごニキビ”に特化した無添加コスメ。あごは乾燥しやすく毛穴が小さいことでニキビができやすいことに着目し、10種類の保湿成分を配合したジェルを開発。「気になるフェイスラインがツルツルになる」と評判を呼び、約1万人のユーザーを集め年商5億円ほどを売り上げている。
「“あごニキビ”に特化したコスメはほかにありません。このように商品コンセプトを尖らせて、販売力を高めようと企画しました」と松本氏。
もちろん、商品企画に加え自社のスマホマーケティングノウハウを投入し、単品で5億円という年商に繋げている。つまり、「メルライン」は自社のマーケティング力や販売力を磨くとともに、その力量を対外的に証明する狙いもあるのだ。
「とはいえ、まだまだだと思っています。もっと広めていくことが今後の課題ですね」と松本氏は意気込む。

「メルライン」への進出は、自らの商品企画力・マーケティング力を立証するとともに、若い女性向けという大きな市場にチャレンジする側面があった。
「とはいえ、自分は化粧などしたこともない男。女性の美容に対するデリケートな感覚がつかめず、どう展開すればいいか苦労しました。感覚をつかもうと、デパートの化粧品売り場で化粧してもらったこともありますよ（笑）。
女性誌を読みあさったり、ターゲットとなる若い女性を集めた座談会を何度も開催して、徐々につかんでいきました」と松本氏は述懐する。

今後は、冒頭でも触れたとおり、認知度の高いオリジナル商品・サービスのプロデュースを目指す。
「コスメにこだわっているわけではありません。こだわっているのは、ほかにないオリジナルなものであること。そして、自社でブランディングしていくことです」

もう一つ目指しているのは、自社そのものも誰もが知る存在にまで高めることだ。
「社員が人から仕事を聞かれ、社名を告げた時に『ああ、リアルネットね』と言ってもらえるような存在です。実現すれば凄いことだと思っています」（松本氏）
そういった存在になるためにも、同社では「CCS」（Cooperate Culture Standard）と呼ぶルールブックを整備して理想とする企業風土づくりに努めている。
これは、同社の理念やビジョンから始まり、事業戦略やビジネスモデルの考え方、職級制度、評価制度、就業規則、そして社内の細かいルールに至るまで、あらゆることを網羅・文書化したものだ。

「いわば、リアルネットの憲法ですね。社員には、これだけは何があっても遵守してほしいと言っています。ただし、不断に見直しを図り、追加や削除、変更を行い毎朝のミーティングで共有しています。もちろん社員からの提案も大歓迎です」（松本氏）

社員の親睦も、歓送迎会や社員の誕生日など何かしらのイベントが毎月のようにあるほか、年に1度、社員旅行に出かけている。ここ3年は、台湾、韓国、石垣島で休日を楽しんだ。また、半年に1回、研修合宿も行い、半期をきちんと振り返るとともに次の半期のテーマを明確にする機会としている。

同社が採用する人材に求める要件ついて、松本氏は次のように言う。
「勉強熱心、素直、ポジティブ思考の3点に尽きると思っています。スポーツにおいても、結果を出せる選手はこの要素を持っているもの。これさえ備えていれば、何をやっても成長できるはずです」
マーケティング力、営業力という普遍の強みをコアにしているだけに、今後の可能性に溢れる会社といえるだろう。