株式会社クレスソフト

業務システムの開発および企業のシステムインフラの構築を手がけている、株式会社クレスソフト。業務システム開発においては、メガバンクや大手通信会社の基幹システム、自治体の会計システムなど、社会基盤として極めてハイレベルな堅牢性が求められるシステムを中心に手がけている。このことが、同社の信頼性や技術力の何よりの証左といえよう。
特に、創業以来同社の強みの源泉となっているのが、金融機関における特殊業務のシステム。
「この分野に関しては、お客様から『これまでも、これからも、クレスさんに任せるしかない』と言っていただけており、他社の追随を許さないと自負しています」と2001年に同社を創業した代表取締役の柳清次氏は胸を張る。この“ニッチトップ”の強みをコアとして周辺領域も付帯的に受託し、安定感のある事業運営を実現。創業以来15年間、順調に成長を続けている。
「今後の課題は、こうした分野を一つでも二つでも増やしていくこと。そのためにも、優秀なエンジニアを確保したいと思っています」と言う。
そのために今、新分野への進出を模索しており、「M&Aも視野に入れている」と柳氏。また、自社で使用するために開発した給与システムなどをASPサービスとして外販する自社製品事業も検討している。

同社の正社員約90名の90％以上はエンジニア。最高レベルの守秘義務を担うため、開発業務は客先常駐型である。目下携わっているメガバンクの次期基幹システム開発は、全体では数千人のエンジニアが関わるという超大規模なプロジェクト。その中でも、比較的高度かつ先端的な技術力が求められるサブシステムに携わっている。
「言語やプログラミングなどの技術面以上に、どう効率的かつ安全に開発プロジェクトを遂行するかというエンジニアリング面での高度化が求められています。当社は創業以来地道に培ってきたノウハウやスキルを発揮することで、こうしたニーズにお応えしています」と柳氏は言う。

同社がシステム開発とインフラ構築の双方を手がけていることは、エンジニアのスキルアップにも大きな効用をもたらしている。
「システム開発部隊とインフラ構築部隊は組織を分けていますが、相互に密接に関わりながら業務を進めています。開発エンジニアは、サーバーの構成などインフラについて知識があるほうが稼働効率の高いシステムを開発することができますし、逆にインフラエンジニアは開発についての知識があるほうが、より安定的なインフラを構築できます。当社には、双方ともこなせるエンジニアも少なくありません」（柳氏）

柳氏は、以前はシステム開発会社でSEや営業を経験。当時から前述のニッチトップ領域に関わりノウハウを蓄積するとともに、営業としては8,000枚の名刺を獲得し（現在は1万枚以上）ネットワークを築いた。そして、「会社の屋台骨を支える存在であるエンジニアがやりがいを感じ、思う存分力を発揮できる企業文化を自分なりにつくりたい」と独立、起業した。経営理念は「人こそ我が社の命」である。
この理念実現を強力に推進している具体策が、「社員株主制度」である。同社の社員は、入社時に同社の株主となる（株式を購入する）ことが条件となる。株主に対して、会社は財務諸表や様々なトピックスなどの経営内容を公開しなければならない。また、株主総会に参加し、会社（経営者）に意見陳述や質問ができる発言権が付与される。
「つまり、社員には経営状態をフルオープンしているということです。社員には、会社の状態を理解した上で何をすべきかを考えてもらいたいという狙いがあります。そして、自分が頑張れば会社の経営状態が良くなり、株価が上がり、したがって自分の資産価値も上がるという構造もあるわけです。社員の誰もが、自分たちがもっと頑張れるような風土や制度づくりに関心を持ち、経営に意見を言い実現させていくことができる“自分の会社”という実感が持てると思います」と柳氏は力説する。会社を株式上場させる夢に向かって頑張ることもできるだろう。

また、柳氏ら経営幹部は常に常駐先の開発現場を周り、社員とのコミュニケーションを図っている。こうして集めた情報をもとに公平・公正な評価や適材適所の配属などの人事に留意し、社員との信頼関係の醸成に努めている。

人材育成としては、次のとおり。
新卒採用も積極的に行っている同社は、社員を1～3年目の若手、4～7年目頃までの中堅、それ以上のベテランと階層分けし、中堅による若手への直接指導を義務付けている。同社が強みとする先端技術の領域は、ベンダーの教育プログラムなどがまだ整っていないという事情もある。
「義務といっても、みんな喜んでやってくれています（笑）。中堅社員は自ら教育メニューを考えてくれますし、勉強会の講師を買って出てくれます」と柳氏は目を細める。年1回は1泊2日の合宿研修も行って、技術面だけでなく、人格面での育成にも力を入れている。

全社員の帰社日に加え、年数回はBBQ大会などの親睦イベントを開催。また、社員の健康を推進するという観点から、フットサル、ランニング、テニスなどのサークル活動の費用援助も行っている。

そんな同社が中途採用の人材に求める要素は、会社に早く馴染める柔軟性や積極性を備え、オープンなコミュニケーションが取れること。チームワークを重視しているので、エンジニアとして活躍するには不可欠の基本となるためだ。
「そんな皆さんの積極的なご応募をお待ちしています」と柳氏は呼びかける。