日本が国を挙げて注力するヘルスケア領域に、データとテクノロジーで解決策を提案する
東京大学医学部を卒業後、循環器内科医として勤務。2007年日本人医師として初めてハーバードビジネススクール修了
健康を維持し、病気を予防するヘルスケア。病気になるのを待たない積極的な健康管理を、健康保険組合等に蓄積されている様々なデータを解析することで提案・評価する「データヘルス」支援や、こうしたデータを活用し、事業会社と連携して新しい「ヘルスケアサービス開発」を支援しているのが、株式会社ミナケアだ。
生活習慣病の増加や超高齢社会への進展などで医療費の増大が続く日本。医療保険の支出が収入を上回る状態となっており、このままでは十分な医療が提供されないという危機に直面している。
医療費が増大している主因の一つが、生活習慣病の増加だ。糖尿病のような生活習慣病を放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気に罹るリスクが増大する。これを予防するために、40歳以上を対象とする「特定保健指導」が行われている。ところが、ある健康保険組合のケースでは、加入者全体の2/3にリスクがあるのに、実際には指導が届くのは1/6程度という実態になっている。
「こうした実態は数多くの健康保険組合で起こっています。本当にヘルスケアが必要な人に適切な指導や経過のフォローアップが行き届いていません。この人たちは、重大な病気になって初めて病院に行き、高額な治療を受けることになりがち。本人にとっても、健康保険組合にとっても、不幸なことです」(山本氏)
代表の山本氏は、1999年に東京大学医学部を卒業後、同付属病院、都立病院などで6年間、循環器内科、救急医療などに従事。そのプロセスで日本の医療をめぐる諸問題を目の当たりにし、日本のヘルスケアのあり方を改革しようとの志を抱いてハーバードビジネススクールに留学、修業に臨んだ。そこで、現在の事業内容を構想し、MBAを取得して帰国。2011年2月、ミナケアをスタートさせた。