「エンタメ専門」がエッヂに!全力でおもしろいプロモーションを展開
社名の由来は同氏の元々のく口癖である。
株式会社全力エージェンシー。このインパクトある社名の会社は、エンタテインメント領域専門の広告代理店だ。総勢20名に満たない小さな会社だが、ありそうでなかった「エンタテインメント専業」というエッヂが効き、ゲーム、音楽CD、アニメ、スマートフォンアプリなどの各分野で、老舗の会社も伸び盛りの会社もクライアントに持ち、数々のユニークなプロモーションを仕掛けている。
「『全力でやります!』が、元々僕の口癖でした」と語るのは創業社長の青山譲氏だ。青山氏は、日本経済広告社のグループ会社でアドマンとしてのキャリアをスタート。そこでエンタテインメント業界の仕事に携わり、そのおもしろさや可能性を実感した。いずれ自分の手でビジネスを手がけたいと起業を志し、ベンチャー企業に身を置いて経営を学んだ後、全力エージェンシーを創業した。
このストレートな社名は、和やかな笑いと共に一発で覚えてもらえるというアドバンテージになるが、一方で絶対に手を抜けないというハンディ(?)にも。「ちょっとでも手を抜けば『全力じゃないよね』、『非力エージェンシーに名前を変えれば?』と容赦なく言われますからね」と青山氏は笑う。
名前の通り全力でクライアントのために働き、全力でおもしろいことを追及するのが同社の信条だ。TVCMや新聞・雑誌広告、Webサイト、イベントやキャンペーンはもちろん、TV番組も制作すれば、傘を広告媒体に見立てるユニークな企画まで、ありとあらゆるおもしろいことにチャレンジする。ただでさえエンタテインメント業界の人は、おもしろさや意外性を求める。同社は常に、その期待を上回る提案をしなければならない。自由な発想で企画し、制作会社や映像会社など外部の力と才能ともどんどんコラボレートしながら形にしていく。実績を積み、ノウハウがたまればさらにおもしろい提案もできる。「専業」であることを最大の強みに、全力エージェンシーは成長を続けている。
当初は青山氏の個人資産で始めた会社だが、後に古巣である日本経済広告社の資本を得て、日経新聞グループとも縁続きの会社となった。ベンチャーらしさや会社の個性を出すために、あえて日経グループのアピールはしないが、リソース面などで享受できるグループのメリットは大きい。アニメDVDの広告を日経新聞の15段分のスペースで打つという意外過ぎるプロモーションを(普通はアニメ雑誌や声優雑誌だろう…)仕掛けたこともあるそうだ。