株式会社 東輪堂
技術翻訳、マニュアルの多言語ローカライズのリーディングカンパニー
創業の経緯と新たなビジネスモデル
日本企業が積極的に海外展開をはじめたのは、高度経済成長期のことだ。
国内の製品を海外展開しようとした時、外国語のマニュアル作成が不可欠になる。それゆえ、マニュアル制作の業界もその時期に呼応するように拡大化していった。
株式会社東輪堂がその礎を築いたのは、まさしくそんな時代の最中のことだった。
当時、同社は翻訳と編集をセットにしたビジネスモデルを考案した。それまでは翻訳なら翻訳、編集なら編集と独立していたものを一つにまとめることで新たなビジネスの形を創り出したのだ。
もともとマニュアルというのはレイアウト自体、どの言語でも変わらない。
そのため、翻訳から編集までを担うことでより簡単に多くの利益をだすことができる。その部分に目をつけたのである。
それから30年、同社はマニュアル制作・翻訳・DTP編集では、老舗と言われるまでになった。
今は世界30カ国以上の言語をあつかい、テクニカルライティングやイラスト作成までをその業務領域としている。今回は、時代をさきがけ、長い年月競争を勝ち抜いてきた同社の秘訣に迫ってみた。
人とソフトの両面から品質を維持したい
東輪堂社は世界各国に翻訳者を抱えている。厳密なトライアルを通過してきたプロの翻訳者ばかりだ。
基本的に翻訳の質は、は翻訳者の実力に依存するものであり、出来、不出来は翻訳者次第である。だが、同社は様々な翻訳基準、校正基準を社内でもうけて、翻訳者に徹底することで、翻訳者を支援し、劣悪な翻訳が出回ることを食い止めている。また、基準を作るだけでなく、その基準を守るための具体的な運用ノウハウも蓄積している。小さな技術を積み重ねるとともに、プロジェクトの中でそれらを確実に機能させることが出来て、初めてビジネスが成立するのである。
業務管理部の須崎氏はこう語る。
「当社は社内にネイティブを数多く抱えています。ネイティブの社員に翻訳品質を管理させ、さらにはその内容の善し悪しを評価させています。やっぱり最終的にはネイティブの力というのが大きいですから。それによって私たちは世界に何百といる翻訳者をネイティブの目で評価し、管理していくのです。そこが高い品質を維持できる理由ではないでしょうか」
また、同社では、翻訳支援ツールTRADOSを導入することによって翻訳をスムーズなものにしている。
TRADOSとは原文と訳文のペアをデータベースに登録しながら翻訳をしていくもので、将来似たような原文に出くわした時にその翻訳データを再利用できるというメリットがある。これによって翻訳の速度と正確性を格段に高めることができるのだ。
「翻訳者の数だけ用語があってはならないのです。マニュアルというのは用語の統一性というのがとても大切なものになってきます。だからこそ、翻訳者の支援には、TRADOSが効果的なのです」
同社の品質管理の裏には、いかにソフトとハードを駆使していくかという取り組みがあるのだろう。
言語をつかう人と、それをうまく形にしていくためのソフト。この二つがうまく組み合わさった時に初めてすばらしい製品を生み出すことができるのだ。
業務領域はマニュアル制作全般
この業界は、専門性が高いがゆえにマニュアル作成の一部だけに特化する傾向がある。しかし同社は逆にマニュアルの作成プロセス全般にわたって、事業領域を広げていくことを目指してきた。
そのために取り組んできたのが社員をプロジェクトチームにわけて、分業体制を整え、その上で制作プロセス全域をカバーするという仕組みだ。同社は創業にあたって翻訳と編集業務を組み合わせるビジネスモデルをつくったが、まさしくそのDNAが息づいているのだろう。
須崎氏はこう説明する。
「今はマニュアル業界自体が多言語化しています。その中で短期間でプロジェクトを遂行していくには、全社的にチーム制を敷くことで分業化し、基軸言語のライティングから多言語展開にいたるまでの全過程を網羅していかなければならないのです。当社ではその部分に特に力を入れています。1チームは平均して10名前後ですね」
こうした中で、同社は2000年以降新しく事業領域を広げた。
その一つが原稿執筆(テクニカルライティング)である。つまり、メーカーが用意した仕様書を読み込んだり、インタビューしたりしながら、マニュアルの元となる原稿そのものをつくるのである。これによって原稿の執筆から翻訳そして編集とほぼすべてのプロセスを網羅することになったのである。
「業務領域の拡大によって、当社はクライアントからマニュアル作成の全過程を任せてもらえるようになりました。今では、事業の8割近くがこうした全プロセスを任される案件になっています。残りの2割強が翻訳のみなどの案件です」
穏やかな社風の中で新たなチャレンジを
企業のグローバル化が進むにつれて、マニュアルの海外言語翻訳のニーズは高まっている。これまでは国内市場だけを相手にしていたものが、益々海外に市場を広げているためだ。これは世界共通の流れであり、食い止めることはできないだろう。
同社はこれまで特にコンシューマー向けのマニュアルを多く作ってきた。カメラや携帯などである。しかし、今後はこれに加えて、業務機器も多く手掛けていきたいと考えているようだ。時代の流れに左右されるコンシューマー向け製品に加えて、変動の少ない業務機器を多く手掛けることで安定性を確固たるものにしようとしているのだろう。
「当社は今後も工業製品を多く扱っていくことになると思います。だからこそ、当社で働くには、英語力に加えて、機械そのものに興味がある人がいいでしょう。なんといっても英語をツールにして、機械の動作原理を形にしていくのが当社での仕事になってきますから」
同社は外国人に加えて、女性社員が7割にも上るのだそうだ。マニュアル関連の会社に男性的な固いイメージを抱いている人には意外に感じるかもしれない。だからなのか、オフィスはとても柔らかく落ち着いた雰囲気がある。いい意味で穏やかなのだ。
そんな社風の中、英語力をツールとして、最新の機械に関っていくのは、とても有意義な時間だといえるのではないだろうか。
| 会社名 | 株式会社 東輪堂 | |||||||||
| 企業の特徴 |
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| 福利厚生 |
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| 資本金 | 4000万円 | |||||||||
| 業績 |
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| 設立年月 | 1978年 3 月 | |||||||||
| 代表者 | 代表取締役 渡辺資朗 | |||||||||
| 事業内容 |
■携帯電話、デジタルカメラ、OA複合機をはじめとするIT関連機器の多言語マニュアル制作
- 日英テクニカルライティング - 多言語翻訳 - DTP編集 ■技術翻訳サービス |
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| 株式公開 | 非上場 | |||||||||
| 主要株主 | ― | |||||||||
| 関連会社 | 上海東輪堂広告伝播有限公司 | |||||||||
| ― | ||||||||||
| 主要取引先 | オリンパスイメージング株式会社、シャープ株式会社、株式会社リコー、HOYA株式会社、株式会社ニコン、株式会社パイオニアメディアクリエイツ、パナソニック コミュニケーションズ株式会社(順不同) | |||||||||
| 従業員数 | 80人 | |||||||||
| 平均年齢 | 34.0歳 | |||||||||
| 本社所在地 | 東京都 千代田区一番町23-3 日本生命一番町ビル | |||||||||
| 交通案内 | 東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅 5番出口を出て、横断歩道を渡り、右手に50m。(2009年6月下旬まで4番出口閉鎖) |

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