テクダイヤ 株式会社
セラミック、ダイヤモンド応用技術、治工具の世界的ブランド
1966年、東京都出身。立教大学経済学部を卒業後、マーケティング会社に入社。営業職として実績をあげる。その後、父親の経営するテクダイヤの継承を決意し、1996年にマーケティング会社を退職、テクダイヤに入社。同時に渡米、TECDIAInc.,U.S.A.で約2年間営業活動を行う。2008年6月に代表取締役就任。
最初はマーケティング会社にお勤めでしたが、いずれは事業を継ぐことを意識されていたのでしょうか。
いいえ。当初はそのつもりはありませんでした。マーケティング会社での仕事は非常に面白かったですし、今でも尊敬する素晴らしい会社ですので辞めようなどと思ってはいませんでした。
しかしある時、その会社では実現できない人生があることに気づきました。それは、周囲から感謝される仕事をしながら、同時に家族を守りはぐくむ人生です。それを父の会社で実現してみてはどうかと考えました。
テクダイヤの現会長は私の父ですが、人に対して厚く優しい人間で、いつも「人」に対する敬意を忘れません。その会長が作った会社で、社員達が情熱を持って働き感謝されながら、幸せな家庭を築いていける人生を送っていける、そんな会社を作りたいと思い、挑戦してみようと決意しました。
御社の強みについて教えてください。
ひとつは、製品が一つだけに特化していないことです。事業が一つでは、急激な市場の変化などに対応することができませんが、当社では時代の要請にしたがって多くの技術を生み出し、コア製品を増やしてきました。その結果、安定した収益を生むことができています。
また、もう一つの強みは、日本の優秀な技術者達と、フィリピン自社工場を持ち、さらにアメリカやアジア各国に営業所を持っていることです。製造業は、世界単位でものを考えねばなりません。アメリカにおいてプロダクトビジョンが発信され、アジアで大量生産されるという世界的な消費サイクルが周っている中で、間にいる日本は、新しいもの、世界に誇れるものを作り出すことが使命です。したがって、当社では、アメリカオフィスで製品トレンドをキャッチし、それを日本の優秀な技術者が形にし、セブで生産して各国で販売する。世界の消費サイクルを自社ですべてコントロールできるのです。また、各国の営業所は、現地の人を採用しています。ローカルな営業力に勝るものはない。彼らを通して伝わってくる情報は、どんな調査会社のレポートにも負けません。
さらに言えば、日本の優秀な技術者の力は、お客様との間の関係をも変えていきます。
例えば、お客様から「こういうものがほしい」と言われた時、当社の技術者は「それはなぜですか」と聞くのです。なぜも何もなく、作って来いということなのですが、それを聞く。そしてその答えから、こうしたらもっと良いのではというアイデアを形にして持っていくのです。当然、言われたものとは少々違っていたりして、お客様は戸惑います。しかしそれを実際にテストしてみて、この方が良いと納得されると、次回からは「こういうものを作ってほしい」ではなく、「こういうことをしたいがどうしたら良いと思うか?」と聞かれる。そのときこそ、ビジネスが面白くなるときだと思うのです。私はこういう場で、通訳として同席したりしますが、誇らしく思う瞬間でもありますね。
御社では経営と社員の距離感が近いと言われていますが。
私は自分が優秀な人間などとはこれっぽちも思っていません。飲み会で一番に酔っ払ってしまうのは私ですし、はしごしようと誘ってしまうので、嫌がられないように自分からはあまり誘わないようにしているくらいです(笑)。それは冗談としても、自分にできること、できないことを隠し立てせず、社員に助けてもらうこと、そして社員の期待に応える人間であるべく努力すること、そういう姿勢が距離感というものにあたるのかなと思います。
社員の方々に対してお感じになることを語ってください。
当社は非上場の会社であり、誰かに口を挟まれること心配がありません。そういう会社なのですから、社員には会社を自己実現の場にしてもらえればよいと思っています。自分の情熱を燃やしてほしい。ただ、自己実現は自己満足とは違うもので、社会の期待に応え、相手からありがとうと言われる結果を出さなければならないというのが私の考えです。みんなのやりたいことを、社会の期待にそう形で出せるようにする。みんなの力強いベクトルを束ねることが、私の役割です。
ベクトルは力強い方がいい。だから、たとえ生意気でも、とんがっていても良いのです。今を後悔しないように精一杯生きたい、人生を充実させたいという社員といっしょに、会社を作って行きたいですね。




