ミート株式会社

ミート株式会社は、ユーザー視点で徹底的にUI/UXにこだわることで、NFC技術を活用した未来をクリエイトしようとしている。
次世代コミュニケーションソリューション『MEET』を提供している。

『MEET』がコア技術に採用する「NFC」は、決して最新技術でない。「Near field communication」の略で、日本語では「近距離無線通信」を意味する。
交通系ICカードやスマホの「おサイフケータイ」機能は、NFC技術が活用されたソリューションの代表例だ。

同社ではNFCタグを埋め込んだ名刺サイズのカード『MEET』を製造・販売している。
スマホを『MEET CARD』にタッチするだけで、個人ならプライベートのSNSアカウントやWebサイト等へ誘導して、今後のコミュニケーションのベースを簡単に構築できる。
情報を受け取る側は、アプリをインストールする必要がなく、知り合った瞬間にスムーズな情報交換が可能となる。

「NFCタグを埋め込んだカードは、他社製品も沢山あります。事実、私も他社製品のユーザーでした。
しかし、便利な機能がある反面、スタートのセットアップ等、煩雑な作業もあり、UI/UXが徹底されたサービスとは言い難いと感じました。
そこで、ユーザー視点でUI/UXを徹底した『MEET CARD』を開発しました」（代表取締役・北村健氏）。

『MEET CARD』は多彩なデザインを用意。オンラインで簡単にオリジナルデザインのカードも作成できる。
透明なスマホケースに挟んで使うシート型の『MEET FLAT』も開発・提供している。

「若い人達の間で、透明なスマホケースにイケてるデザインのシールやカードを挟むのが流行っており、カードを持ち運ばなくても済む、厚さ0.5mmのフラットタイプの『MEET FLAT』を開発しました。
スマホケースにNFCタグを挟むのは技術的な難易度が高く、試行錯誤を繰り返して『MEET FLAT』の開発に成功しました。
世の中にNFCタグを埋め込んだカードは沢山あっても、『MEET FLAT』のような製品は見当たりません」（北村氏）。

『MEET』は「名刺モード」に切り替えることで、ビジネスシーンでも利用できる。
デジタル名刺を受け取った側では、ワンタップで名刺管理サービスへ登録が可能。
専用の管理アプリで提供する情報を簡単に管理できるので、昇進や異動で名刺の情報が変わっても、新しい名刺を用意する必要もなく、コスト削減に繋げられ、企業での導入も効果がある。

2022年6月にサービス開始した『MEET』。2024年2月1日時点で累計発行枚数30万枚を突破した。
次世代コミュニケーションソリューションとして、順調なスタートダッシュに成功したが、『MEET』にはもう一つ、集客・販促の次世代ツールの側面もある。

顧客にスマホを『MEET』にかざしてもらうだけで、キャンペーンやクーポンの発行、案内・説明の動画再生、LINEの友だち追加へと誘うことができ、新規顧客獲得、ユーザーコミュニケーション、データ活用、コスト削減等の企業が抱える様々な課題を解決する。

「設置したまま遠隔で簡単に更新が可能なため、QRコードのように内容更新毎に張り替える必要がありません。
『来店ポイント』や『キャンペーン期間限定』等、公開範囲や期間に制限をもたせたコンテンツにも対応可能。
リロード時に再度アクセスできないよう制御したり、最新情報を表示させたりすることもできます」（北村氏）。

ビジネスでの『MEET』利用のUI/UXを徹底するため、スマホを覆うサイズまでタッチエリアを拡大した独自の『MEET EASY ACCESS（MEETシート）』を開発した。

「『MEETシート』は、スマートフォンよりも大きいサイズにしてあるのが特徴です。
NFCタグを埋め込んだカードやシートを作る際、どこの会社も小さくしようと努力しますが、当社はユーザー視点で考えて大きくしました。
小さいシートだとスマートフォンの機種によってNFCセンサーの場所が異なるため、読み込みに失敗する例があるからです。『MEETシート』は、スマートフォンをシートに置くだけ。ストレスフリーのユーザーインターフェース（UI）です」。

ストレスフリーなUIの『MEETシート』を活用したソリューションを次々に開発している。
例えば、複数の『MEETシート』をA4サイズ1枚にまとめることで、営業担当者が対面営業の場で顧客にスマホを使った商談を可能とした。

「大手生命保険会社の外交員約5万人が、『MEETシート』を営業活動に使い、大きな成果を上げています。
LINE登録の会員数が4万人だったのが、『MEET』導入後わずか3カ月で45万人の登録を獲得しました」。

イベント会場では、『MEET』を座席や会場内に貼り付けることで、FOOD&DRINKのオーダーやイベント情報、グッズ購入が簡単になりイベントの売上UPを実現する。

「自席でドリンクやフードを頼んで、出来上がったら取りに行く。そうすれば、無駄に並ばずにドリンクやフードを買うことができます。
『MEET』を通じてインセンティブを与えることが可能なので、規制退場への協力にも活用できます」。

ビジネスでの『MEET』利用は、無限の可能性を秘めている。

求職者目線では、この『MEET』が秘めている可能性に着目してほしい。
例えば、現在、同社が進めているソリューションが「チケットレス入場」。
『MEET CARD』の内容を自由に書き換えられるメリットを生かして、イベントやコンサート、スポーツ観戦への入場に『MEET CARD』を活用する。

チケットレスにすることでチケットのオンライン購入が可能となり、ペーパーレスでコストの削減にも繋がる。
『MEET CARD』だと、カードをリーダー（読み取り端末）にタッチするだけ。
アプリを立ち上げる必要もないため、入場時間を大幅に短縮することができ、ユーザー体験（UX）は爆上がりする。

加えて、『MEET』はカードにタッチする毎に、新規URLを発行する仕組みを採用し、個人の識別にも利用できるため「転売」の防止にもなる。

「現在、大手のチケット会社と『MEET CARD』を活用したチケットレス入場システムを開発中です。
QRコードや他のNFCのチケットレスサービスと併用できるリーダーの実用化を進めています。
『MEET CARD』をファンクラブの会員カードにすることもでき、アーティスト側でファンの取り込み・育成にも活用することが可能だと考えています。『MEET CARD』で転売防止のチケットレス入場システムが完成すれば、『MEET CARD』の普及は一気に広がり、その後のソリューション・サービス開発も可能となります」。

そして、『MEET』が爆発的に成長して、誰もが日常で使うアイテムになるために、もう一つ武器となることがある。
代表の北村氏が経営する親会社が、20年以上にわたってWeb業界で築いたクライアントとの関係。
Webサイトの企画・制作、デジタルコミュニケーション戦略、ブランディング・プロモーション、映像・音楽制作等を幅広く手掛ける中で、多くのナショナルクライアントの仕事を成功に導いてきた実績とそれに伴うクライアントからの信頼。
並のスタートアップではリーチできないエンタープライズ企業との既存の関係がある。

「『MEET』を活用したビジネスソリューションは、まだまだ考えられます。
そして、それを提案できる企業もクライアントに抱えています。NFCはリアルとデジタルを簡単に繋ぐ技術として期待されてきましたが、インターフェースのデザインが上手くいかず、十分に活用されているとは言い難い技術です。
スマホが普及して、9割以上の人にNFCで繋がることができます。
ここには、これまで解決されなかったビジネスや社会の未来があります」。