株式会社ガルフネット

株式会社ガルフネットは流通小売業や外食などのチェーンストア運営企業に特化して、業務システムからICTに関わる業務アウトソーシングまで幅広く手がけ、経営課題を解決するソリューションベンダー。

提供するのは総合店舗管理システムやネットワークの導入、IT機器の選定・設置、トラブル対応のヘルプデスクに至るまで、チェーンストア経営を支えるすべてのレイヤーのサービスだ。品質はもちろんのこと、連絡一本でトータルサポートを受けられる利便性で顧客の満足度は高い。100％直接取引を行っており、現在300社、30,000店舗でガルフネットのシステムが稼働する。

ガルフネットは企業経営に必要なICTリソースをノンアセットで一括提供する「Business Based Platform（BBP）」という独自のビジネスモデルが特徴だ。具体的にはAIを搭載した変化対応型ICTプラットフォーム『ガルフCSM』と、これらにかかるハードウェア、ソフトウェアの購入費用などをすべてサービス化。企業側はその利用料のみで、ICTリソースのすべてを活用できるというものである。

最新版のガルフCSMでは、売上・客数などの店舗過去実績、天気や地域のイベント情報、IoTなどのリアルタイムデータから、売上・勤怠・商品・会計各管理領域の予測値を算出。適正な人件費や仕入原価を自動計算し、店舗損益のシミュレーションでマネジメントの向上に繋げることが可能だ。

企業はICTを資産として所有しないため、初期投資やシステム運用費などの支出を抑えることができる。また、店舗数の増減や業態などの変化にも柔軟に対応できる点もメリットだ。社会情勢や市場ニーズの変化、新たなテクノロジーやIT機器の出現など、変化の激しい現代に即したモデルである。

導入後の多岐に渡るレイヤーの悩み事を24時間365日で受け付けるのがヘルプデスクサービスだ。
「他社の場合、何か不具合が起きた時、ネットワークでは？システムでは？インフラでは？と、たらい回しにされてしまうことが少なくありません。一方当社では、一本電話してもらうだけで済みます。お客様は一度この便利さを味わうともう戻れません。そのためお付き合いを始めると10年、20年という長い期間になります」（東京開発執行部 開発統括部長 藤川誠氏）

創業時からチェーンストア運営企業向けの経営支援システムに特化し、顧客のニーズと現場業務を知り尽くすガルフネット。蓄積したノウハウをベースにしたコンサルティングからシステム、インフラ、導入後の保守運用サービスに至るまでの全体ソリューションを、一括で流動化して提供する企業は他にない。

創業者の石川純一氏は大手電機メーカーで衣料品チェーンストア運営企業のPOS端末や業務システム導入を手がけ、全国への拡大を後押しした人物だ。日本の流通業はまだまだ成長の可能性があると確信した石川氏はこの時の経験を活かし、1994年にガルフネットを設立した。

チェーンストア運営企業に特化したPOSシステムに始まり、売上や勤怠管理システムなど領域を広げていき、さらにソフトウェア提供にとどまらずハードウェアやネットワークにも幅を広げる。チェーンストア特有の業務に則しつつも既成概念にとらわれないアイディアで、製品・サービスを開発し積み上げていった。

2001年にはこれらの製品群をまとめ、ICTプラットフォーム一括ソリューション『店舗の王様』の提供を開始する。その後、必要な業務システムなど基本的な機能を一括提供しつつも顧客の要望に応じてカスタマイズ可能なSaaS版『店舗の王子』、必要最低限の業務システムをカスタマイズなしで手早く安価に利用できるSaaS版『ガルフOne』と、企業規模や予算に合わせて選択できるラインナップを揃えた。

藤川氏は「ベンチャーとして立ち上がった当社ですが、IPOを目指すことなく自分たちの信念のもとで事業に取り組んできました。キャパシティがありますから、急激にお客様が増えると重点的な対応が難しくなります。そのため急伸ということはありませんでしたが、皆さんに馴染み深い多くの店舗で使われるソリューションとして少しずつ拡がっていきました。そのようにして当社は30年近く、堅実な安定経営を続けてきました」と話す。

一方で近年は社会の変化が激しく、テクノロジーの進化も早い。顧客が魅力を感じて利用し続けるソリューションとして磨きをかけるためにも、事業拡大が必要な局面だと認識する。

特に、今後力を入れていく”東南アジアへの事業展開”には二つの側面がある。
まず、伸び悩み、縮小が予測される日本の経済に対し、ASEAN諸国は堅調に成長している。そこで、ガルフネットはASEAN諸国への事業展開を進めている。既に、シンガポールやタイで、その国の特質を踏まえたスマートフォンアプリの受発注システムや勤怠管理システムの提供を開始した。
次に、ASEAN諸国及びインドには、ハイパフォーマンスのIT人材が多数存在する。これらのリソースをガルフネットの製品・サービス開発に生かすことも考える必要がある。ガルフネットは、GulfNet Singaporeというシンガポールのグループ企業と連携して、ASENA諸国、及び、インドへの製品・開発のアウトソーシングを開始した。この経験は、ガルフネット社員にとってもIT企業、IT開発、ビジネスのグローバルスタンダートを知り、自らの飛躍的な成長する機会となる筈である。

「新しい事業モデルをつくりたいですし、これまでとは違った分野の新規顧客の開拓も必要。人口が増加する東南アジアをはじめとした海外への展開も一層進めたい。原動力となる人材を採用し、組織力を強化したいと考えています」
この言葉からは、新たな人材への大きな期待が感じられる。

ガルフネットの事業所は札幌・東京・大阪に3拠点あり、東京事業所が本社として機能する最大の拠点。ネットワーク部門、業務パッケージの導入から稼働までを担当する開発部門、東日本全域を担当する営業部門、導入後の運用・ヘルプデスクなどを担当するサポート部門が全てワンフロアで密接に連携を取りながら業務を進めている。大阪事業所は東京事業所をコンパクトにした編成で、名古屋から九州までの顧客企業を支える。札幌事業所はシステムの開発拠点であり、サービスの開発を担う。

「当社では職種を問わず、顧客業務の理解が必要です。いろいろな会社のやり方・考え方を知り、それをナレッジ・ノウハウとして蓄積して、コンサルテーションやシステムの企画・提案に活かしています。幅広い商材を持っているため、顧客の課題解決に最適なソリューションとしてカスタマイズして提供できるのも当社ならでは。視座と視点を変えるだけで成果が変わってくる難しさはありますが、その分奥が深くて面白い。そこに部門の垣根を越えて、チームとして取り組んでいける醍醐味があります」（藤川氏）

密な連携を必要とすることもあり、社内のコミュニケーションは活発だ。社員全員が顧客の方を向いているため、前向きな意見交換が交わされる。

プライベートと仕事のバランスを取りやすい働きやすさも社内が明るい要因のひとつだ。2022年度の実績で月平均の残業時間は13.2時間。年間休日は130日、平均有給取得日数は14.5日と、オンオフのメリハリをつけて働ける環境だ。結婚祝金20万円、出産祝金第1子～第3子以降30～50万円、勤続5年～30年の節目で祝金5～40万円など、社員の生活をサポートする各種手当も非常に手厚い。

社内SNSで社員同士が「いいね！」や「ありがとう！」を送ると、双方にポイントが付与される「社内ポイント制度」もユニーク。貯めたポイントは賞品や120種類以上の電子マネーに交換可能だ。優秀受注案件やプロジェクトに対する社内表彰でも、社内ポイントが支給される。

社員が安心して健康に働き続けられるよう、適宜制度を見直しながらより良い環境づくりに取り組んでいる。社員へのインタビューでも、「社員に優しい会社」「福利厚生が手厚くありがたい」「健康に働ける環境」といった喜びの声が多く聞かれたことが印象的だった。

藤川氏は「当社は100％エンドユーザ顧客との直取引で、下請け・SES・客先常駐が一切ありません。当社一社の中で経験できる分野は多岐に渡り、数多くあります。あなたの強みを活かして、前の会社では出来なかったことをやって欲しいです。ぜひお気軽にご連絡ください」と呼びかけている。