株式会社ブルート

現在、iOS／AndroidアプリケーションやWebアプリケーションの企画・開発、映像やデザインの制作を手がける株式会社ブルート。
2013年8月に設立された社員数7名（2015年5月現在）の会社であるが、クライアントの顔ぶれには、TOYOTA、Panasonic、集英社、キリン、リーバイスといった著名企業の名が連なる。

「普通、創業して間もない会社が依頼されるクライアントではないかもしれませんね。当社の場合、企画立案からディレクション、設計、そして開発、納品までの流れを一貫してやります。こういった当社の仕事ぶりを評価してくださるネットワークがあり、幸いにもそこからたくさんの仕事が舞い込んできています」と同社を創業した守屋貴行氏は言う。

その守屋氏の略歴は次のとおり。学生時代から大手広告会社とコンテンツ制作会社を同時にインターンとして働き始め、卒業後クリエイティブ・プロダクションのロボットに入社。プロデューサーとしてGoogle、Motorola、KDDIなど大手クライアントの包括的プロモーション、映像制作を手掛けるなどして活躍の後、アプリケーション開発やSNSプロモーションを手掛ける会社のエウレカにジョインする。

「働くスタイルやビジョン、会社の考え方に共鳴したこと、そして自分での影響力をより強く、そして広く発揮できる環境に移りたいとの思いが重なりました。エウレカでは“働く”ということへの意義や、小さな会社がどうStepを踏んで成長していくかなどを肌で感じれました。そこでの経験は自分を大きく成長させてくれたと思っています。そして、自分でどこまでいけるか、自分の情熱がどう世に衝撃を与えることができるのか、と思うようになり独立を決意しました」と守屋氏は言う。同僚だったエンジニアの佐野裕宣（COO&Co-Founder）氏と共に同社はスタートした。

守屋氏の“やりたいこと”とは、自社サービスや受託案件を、志を同じくするメンバーとのチームで高め合いながら会社をつくり上げていくこと。そして、自分たちの手がけるアウトプットを通じて、その人の生活を変えたいと思っている。

「ベンチャーのいいところは、やりたいことが生まれれば『やればいいじゃん』ってすぐに着手できるところにあると思うんです。自社サービスの開発にもしっかり時間を割いて着々と進めています。可能性のあることにはできるだけチャレンジしていきたいと思っています」と守屋氏は力を込める。

同社が主に手がけるのは、企業のプロモーション用や業務用のアプリおよびWebサービスの企画段階からの受託開発、そしてWebコンテンツやCM用の映像の受託制作。最近の主なトピックとしては、“21世紀型家電メーカー”のアマダナ社がリリースする『AMIDAS』というスマートプロダクツ共創エンジンの開発を手がけた。

「当社では、お客様の課題に対してどういう成果物を導入するのがベストかを考え、企画からUX・UIの制作、運用までアウトプットできるところが強みだと思っています」と守屋氏。
「何でも楽しくないと意味がない。どうせやるなら楽しかったり面白かったりタメになったりするものを創りたい」と佐野氏は補足する。

そして守屋氏ら一同は今、自社オリジナルのサービス開発に力を注いでいる。

「まだ多くを語れませんが（笑）、人と音楽を繋ぐインターフェースがテーマです」と佐野氏。音楽が売れなくなった、音楽がつまらなくなったという声に疑問を投げかける。
「Webの発展によりカルチャーは間違いなく細分化しました。それは音楽だけじゃない。私は、高校生の頃上手く周りの友達とコミュニケーションが取れずただひたすらプログレやテクノなどの音楽に逃げていた毎日があって、間違いなく音楽が私のバックグラウンドを形成していると思っています。だからこそ音楽に対するネガティブな今の空気感を変えたい。
"感情を音で表現する"、そこに変わる事は何もない。カルチャーが細分化された今だからこそ、間違いなくもっと音楽の世界は面白くなる。

私たちが現在開発しているサービスは、自発的且つフレンドリーに楽曲やアーティストと出会うことができ、そして音楽好きなら誰もが持つようなアイテムです」と佐野氏は説明する。

音楽ビジネスにおいては、spotify,sound cloud,beatsmusicなど、"聞ける"サービスが今注目されている。かなりメジャーなサービスが出揃う中、
「"聞ける"だけじゃまだインパクトが足りない。もっと音楽と人,そして音楽を通して人と人がフレンドリーになること。そこに勝機があると思っています」
と自信をのぞかせる。

このサービスは2014年末までのローンチを目指している。なぜならば、毎年3月にアメリカのオースティンで行われる音楽や映像、インタラクティブの一大イベント『サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)』での発表を目論んでいるからだ。同イベントはTwitterが華々しく登場したことでも知られている。

「以前から何となく噂は聞いていて、思い立って今年の3月に守屋とアメリカに行ってみました。確かにすばらしい技術やサービスがたくさんあった。みんなアンテナびんびんに立てて、製品を紹介したり白熱した議論を繰り広げたりしたりしていました。あと例えばプレゼン大会の開場で隣に座ったおじいちゃんがiPhoneアプリを開発してたり。良いな〜この雰囲気って思って(笑)。でも何も怖じ気づくことなんてないなって守屋と終わった後話してました。この場からスタートするのも面白いかなと。」
どんなサービスが完成されるのか、とても楽しみだ。

そんな同社が求める人材について、佐野氏は次のように言う。
「エンジニアが当たり前の事ができる環境が必要だと思っています。エンジニアだったらプログラミングによるアウトプットが一番大事なのでその他は二の次。
よくエンジニアに開発スキル以外のことを求めたりする会社がありますが、私達はエンジニアによる表現を一番大事にしています。身体のコンディションや周りの環境によって、コーディングの進み具合は全然違う。エンジニアとしてコードを書くことに専念できる環境を求めてる方はぜひ当社に来てほしい」。

守屋氏は、次のように言う。
「自分は、何か問題が起きても、原因をシューティングして解決すればいい、とシンプルに考えてそのとおりやってきたタイプです。だからか、仕事を“辛い”を感じたことはありません。ですから、物事をポジティブに捉え、貪欲に取り組んでいくような人がいいですね。負けず嫌いタイプなど大好きです（笑）」。

「また、前職で感じたこととして女性にしかない考え方。これは今の時代もっとも大事と言っても過言ではないと思っていて、女性の意見が貴重なものとなっていると思っています。 女性にしか考えれない物事の捉え方などをもっともっと社内に取り入れていきたいと思っています。」

人は、意識すれば1秒1秒、目や耳にするものを通じて常に成長することができる。
「成長し続け、変化することに貪欲でありたいですね」と守屋氏は結んだ。