株式会社プロティア・ジャパン

株式会社プロティア・ジャパンは、すべての人に、いつまでも健康で美しく生きる「アクティブエイジング」のための商品・サービスを提供している企業。その柱となるプロダクトは大きく２つある。

１つは、肌の美しさに欠かせないビタミンAを独自に活用した、世界約70カ国で愛用されている『エンビロン・スキンケアシステム』。

もう１つは、アスリートのトレーニングから、高齢者の健康管理まで、さまざまな現場で効果が実証されているアクセラレーショントレーニングマシン『パワープレート』である。

同社は、この２ラインにより、トータルライフケアカンパニーとして、人々の願う「いつまでも健康で美しい人生」の実現に取り組んでいる。

同社代表の戸澤明子氏は、元々は開業医。アレルギー外来を設置するなど、いち早くアレルギー治療に関心を持って取り組んでいた。戸澤氏には、南アフリカの形成外科医であるD・フェルナンデス氏という友人がいた。ある日、フェルナンデス氏から戸澤氏の元に2本のクリームが送られてきたことが、同社創業の原点となったのだ。

フェルナンデス氏はケープタウン大学の形成外科医として働いていたが、1979年に2人の患者をメラノーマという皮膚がんで立て続けに亡くした。ちょうど当時、南極上空のオゾンホールに関するレポートが発表され、紫外線の影響で皮膚の老化やがんが増えていることが判明。そして、その対策を個人的に研究し、試行錯誤の末にビタミンAが肌のダメージからの回復に有効であることを突き止めた。こうして試作したクリームを、フェルナンデス氏は戸澤氏のもとに送ったのである。

さっそく自ら試作品を使用した戸澤氏は、身を持ってフェルナンデス氏の科学的なスキンケア理論を実感することになり、「これを多くの人にも知ってほしい」と願い、より日本人の肌に合う製品化に協力した。そして、外来の患者に試してもらうことでその効果検証を重ねて商品化、1991年に同社を設立した。

ただし、主成分のビタミンAは使用法によって肌に刺激となることがあるので、一人ひとりの肌の状態を見極め、適正な使用法を指導する必要がある。そこで、販売チャネルは肌に関する専門的な知識を持つ皮膚科とエステティックサロンに限定し、商品・サービスを提供する方には教育・研修プログラムを用意し、必ず対面販売を行うようにした。

こうして徐々にチャネルを広げ、現在は全国で約600カ所まで展開するに至っている。

しかし、「すべての人に、いつまでも健康で美しい人生を」支援するためには、スキンケアだけでは不十分。そこで着目したのがボディケアであり、短時間で効率的に効果をもたらすオランダ発のトレーニングマシン『パワープレート』であった。そして、2007年に日本総代理店となり、フィットネスクラブや直接エンドユーザーへの販売を開始。順調に納入先を伸ばしている。

ここ3年間の業績は前年比110％前後と安定成長を続けている。この成長に更なる拍車をかけるべく、飛躍に向けて社内のあらゆる見直しを図り体制を整える。

その大きな施策の一つが、日本におけるブランド・アイデンティティの精査と再構築。すでに完成し、新たなブランディング戦略を展開できる素地が整った。そして、2011年に新たに「マーケティング部」を設置して、両ブランドの再構築に着手している。

そして、さらなる課題は、現在はエンドユーザーに対して「スキンケア」と「ボディケア」が別のラインとして捕らえられている状況を統合し、あくまでも「トータルライフケアカンパニー」として認識してもらうべく、サービス展開を図っていくことである。そこには、日本の規制緩和次第で、未発売のエンビロンのサプリメント製品による「ヘルスケア」も統合するビジョンもある。

同社の次なる展開が、大いに楽しみだ。

プロティア・ジャパンの従業員数は、現在約80名。女性が６割を占め、平均年齢は34歳とほどよい若さである。

80人のいう規模は、1人のオーナー社長がまとめることができる上限に近い人数とされ、これから同社の次なる飛躍のためにより明確な組織化が図られていく方針だ。現状は、トップである戸澤社長の早い決断とフットワークのよい動きで環境変化に機敏に対応するというメリットを発揮している。

トップの部屋は常にドアが開かれ、誰でも気軽に報告や相談、そして提案を行うことが奨励されている。もちろん、マネジメント層による定例会議やミーティングの場も通じて、ボトムアップとトップダウンを柔軟に組み合わせる運営体制が事業推進の原動力となっている。

教育にも力を入れている。エンドユーザーは深い悩みを抱えている場合も多く、対応する医療機関やサロンなどの専門家に対してプロダクトを提供する同社には、大きな責任が伴うからだ。このため、『エンビロン』『パワープレート』それぞれにおいて、半年から1年間の専門的な研修制度が組まれている。

なお、プロティア・ジャパンでは『エンビロン』のサロンや『パワープレート』のスタジオがあり、社員は割引料金で利用できる。自身の美容と健康の増進、商品知識の獲得、そして経済的なメリットと、社員として３つのメリットが享受できるのも大きい。

そんな同社を取り巻く環境は、成長が予想される美容健康産業。同社ではその流れをリードする役割が担えるよう社員全員が一丸となり、大きな飛躍を果たそうとしている。これからの成長を担っていく人材の受け入れに積極的であり、会社と本人の成長も大いに期待できる。

同社が期待する人物は社内のあらゆる部署とコミュニケーションを取りながらのコラボレーション業務がしっかりと出来る人。コミュニケーション力と、自ら課題を見出し解決策を企画・提案する発想力・実践力が求められる。逆に、「自分の役割はここまで」といった業務範囲を規定するような意識があると、何も進まなくなってしまうだろう。簡単なミッションではないが、その半面、責任ある仕事を任され、企業を成長させていく醍醐味が味わえるのではないだろうか。